ロッテの守護神・益田直也投手が、8月に救援失敗後の悔しさからロッカーを殴り、左手を骨折していたと一部メディアが報じました。250セーブ目前という節目を前に、自らの感情を抑えきれずに離脱を招いた形ですが、長年チームを支えてきた35歳ベテランの心境を思うと、ただの「自滅」とは言い切れない複雑さがあります。守護神という重圧が、時に冷静さを奪うことは珍しくありません。

この報道で、多くのファンが思い出したのが2004年の“杉内事件”。当時ダイエーの若きエースだった杉内俊哉投手がKO直後にベンチを殴打し、両手小指を骨折。止めに入った城島健司捕手の「利き手はやめろ！」という叫び、さらにネットで広まった「ブルガリア！」という都市伝説は、今も語り草です。後年、当事者の城島氏も杉内氏も否定しましたが、それほど印象的な出来事だった証でしょう。

益田投手も杉内氏も、一度は大きな挫折を経験しましたが、その後に再び輝きを放っています。感情の爆発はマイナスに映る一方で、野球に全てを懸ける姿勢の裏返しでもあります。益田投手にとって今回の骨折は残念な出来事ですが、この悔しさをどう次に生かすのかが注目されます。守護神という重圧を背負い続けた背番号52が、再びマウンドに立つ日は必ず訪れるはずです。