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(出典 static.chunichi.co.jp)

1. 二木康太が挑む新たなフォームへの挑戦

ロッテの右腕・二木康太が、自らの可能性を広げるため、新たな投球フォームに挑戦している。2024年オフから取り組み始めたのは、肘を通常より数センチ低く下げたフォーム。目指すのは「より強い球」の習得だ。球速向上を狙っての調整で、実際に球のスピードは増したが、その分、打者からは「見やすい」との指摘も受けるなど、制球と出力のバランスに悩みを抱えることとなった。

春季キャンプでは打者やコーチの意見をもとに微調整を繰り返した。特に右打者へのインコース攻めを強化し、ストレートとともに新たに磨きをかけたシュートも織り交ぜ、投球の幅を広げようとしている。だが、新フォームは結果に直結せず、オープン戦での不安定な投球が響いてファーム行きとなった。

それでも二木は、フォーム修正を諦めず、一軍復帰に向けて「結果を出す」という強い覚悟を胸に、地道な努力を続けている。

2. 春季キャンプでの試行錯誤

石垣島で行われた春季キャンプで、二木は再出発に向けた試行錯誤を繰り返していた。フォームの改良に取り組む中で、彼はこれまでに何度もフォーム変更を経験しており、そのたびに失敗と学びを積み重ねてきた。

今回は、直球の質を高めるという明確な目的があった。コーチ陣と共に動画でフォームを確認し、バッターの目線からどう映るかを重点的にチェック。実戦形式の打撃練習や紅白戦に登板し、得られたフィードバックを次の投球へと生かした。

投球動作における力の伝達や、バランス維持の難しさなど、課題は山積していたが、それでも成長を信じてフォームを模索し続ける姿勢は、彼の覚悟を感じさせた。

3. 新フォームの課題と反省

挑戦には必ずリスクが伴う。二木はフォーム変更により球速向上という一つの成果を得たが、その一方でコントロールや球のキレに課題が生じた。結果として、打者から「打ちやすい」と言われることもあり、本人にとっては苦い現実となった。

フォームの問題は、右打者のインコース攻めにも影響を与えた。狙い通りのコースに投げ込む精度が不安定となり、一軍昇格のチャンスをつかむには至らなかった。その後、彼は原点回帰を決意。独特な旧フォームへ戻すことで、制球力と出力の両立を再び目指している。

ファームでの登板では、再調整されたフォームでの安定感を模索。結果を積み重ね、「あの投手を上げざるを得ない」と評価される存在になることが、今の二木の明確な目標だ。

4. 打者へのアプローチとこれから

現在、二木が重視しているのは右打者へのインコース攻めである。直球だけでなく、鋭く内角に食い込むシュートを武器とすることで、打者のタイミングを外し、リズムを崩すことを狙っている。

フォームを従来のスタイルに戻したことで、投球の出力と制球がバランスよく戻りつつある。ファームでの試合にも積極的に登板し、調整と実戦を繰り返す中で、投手としての総合力の向上を図っている。

彼が目指すのは、どんな打者にも対応できる「対応力のある投手」。今後のテーマは、打者目線で見えにくい球の軌道と、多彩な球種のコンビネーション。その先に、一軍のマウンドが見えてくる。

5. まとめ

二木康太の取り組みは、一見すると遠回りのように映るかもしれない。しかし、それは彼にとって必要なプロセスだった。肘を下げたフォームへの挑戦、そこからの反省と修正、再びの再出発。すべてが今の彼を形成している。

新たなフォームで得た知見と、再び見直したオリジナルフォーム。それぞれの経験が融合されることで、二木の投球は次のステージへと進化していく。ファームで結果を積み上げながら、今季中の一軍復帰を目指す。

若手台頭が進むロッテ投手陣において、経験と挑戦を重ねる彼のような存在は欠かせない。再び一軍のマウンドに立ち、ファンの前で快投を披露するその日を、心待ちにしたい。